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日々の出来事 紫陽花ともみじ

結婚40年近くになる私に、主人が初めて声を荒げ、叱られました。 それは5月末のある日、主人が持ち帰った、顔も合わせた事のない小学6年生の女の子が、“お疲れの時に、この花を見て心を癒してください”と届けて頂いたポットに入った紫陽花の花から始まりました。 その夜、主人に植えておいてと云われ、次の日私はポットから取り出し、庭に植えてやりました。又、同時期に主人はプランターで庭のもみじの種子を育てていました。6月に入って間も無く、紫陽花は枯れてしまいました。もみじは育っていましたが、私は主人がどんな思いでもみじを育てているかを知らず、買ってきたマリーゴールドのお花を植え替えるのにプランターが一つ足りなくなったので、“もみじは庭に大きいのがあるからいいか”と思い、ピピピと引き抜き、その後にマリーゴールドを植えました。そして、枯れてしまった紫陽花と共に、地下のゴミ箱に捨ててしまいました。その日の朝食の時のことです。“あれ?!紫陽花は?”、“あ~ご免なさい、枯らしてしまいました。”、“なに!枯らした!”庭に飛び出して行った主人は、植えてあったはずの場所で呆然としておりました。そして、もみじの所に行き、“あれ?もみじは?”、と聞かれたので、“お花を買い過ぎて入れるところに困ったので、もみじのプランターを使わせてもらったの”と答えました。この瞬間、私は主人と一緒になり40年近くになりますが、あんな大きな声で叱られた事も注意された事も無いくらいの大きな大きな声で、“何い!!捨てたあ!君は僕が大事に思って育てて、成長を写真に撮って楽しみにしていたものを捨てたのか・・・。どこに捨てた?”と凄い剣幕で叱られました。“地下のゴミ箱に・・・”とやっとの思いで答えると、凄い勢いで主人は地下のゴミ箱へと降りて行き、ゴミ箱をチェックしていました。しかし見付けることができず、二階にドンドンドンと凄い怒りを込めた足音で上がって行きました。私はそんなに大事にもみじを育てているとも知らず、やってしまったことを申し訳なく、地下のゴミ箱をひっくり返して探し始めました。運良く、枯らした紫陽花も、もみじも見付けることができました。主人に、“見付かりました”と報告をしに二階に持って行きました。主人は紫陽花をパッと受け取り、ダダダダと階段を下り、庭に出て行き、元の紫陽花の植えてあった場所に丁寧に植えてやり、水をたっぷりと掛けてやっていました。その間、私はプランターのマリーゴールドを抜いて、庭の隅に植え替え、プランターを主人に“どうぞ…”と差し出し、無事にもみじも元のプランターに戻ることができました。主人が出掛けた後、申し訳無くてメールを出して、心から謝りました。すぐに返信メールが入り、“こちらこそ声を荒げて済みませんでした。私は会ったこともない少女から頂いた紫陽花を、枯れてしまったからと言って、簡単に命を捨ててしまうのがつらいのです。また、もみじは昔兄弟で一緒にもみじの盆栽を作ろうとしたことがあったので、もう一度盆栽を作れないかと思っていたのです。その成長を楽しみに写真も撮っていたのです。みんな生き返りますし大丈夫です”と、もみじの写真も送られて来ていました。私は“つらいのです”と云う主人の気持ちを考えた時、涙が出て仕方がありませんでした。私は心からのお詫びをまたメールしました。すぐに返事が来て、“生あるものは死す。気にしないでいいよ”私は家の中に法師様がいらしたのだと強く感じました。それから毎朝主人は紫陽花ともみじに話しかけ、枯れた葉を手入れしてやっていました。嬉しいことに両方とも今は元気に育ってくれています。来年、紫陽花の花が咲きましたら、写真を撮って、贈って下さった少女にお送りさせて頂こうと楽しみにしております。主人の友愛の精神に頭が下がりました。